San Martin Tilcajete, Oaxaca, Mexico, 2007
オアハカ州サン マルティン ティルカヘーテ村はオアハカン ウッド カーヴィングの主要な産地のひとつ。村の中心部のコンクリートで固められた道を抜けて、土ぼこりの道を爆走してくる牛や羊をよけながら、強い陽射しに耐えに耐えてしばらく行くと、マリア・ヒメネスさんの家がある。マリアさんはいつも「どうぞ」と、足早に中庭に出てきて控えめな笑顔で迎えてくれる。その様子はごく普通の女性で特別な人には見えないが、彼女はオアハカン ウッド カーヴィングの有名な作家である。有名作家といえば、彫る人か、もしくは彫って彩色する人がほとんどなのだけれど、マリアさんは、彫りは4人の弟たちに任せて、彩色だけを担当しているにもかかわらず有名になった珍しい作家である。珍しいといえば、女性の有名作家というのも彼女ひとりだけである。
「春のことや自然のこと、花のことを思い浮かべながら描いているの」と、彩色の手を休めず静かに話すマリアさん。小さな声でゆっくりほのぼのと話す姿に、彼女の作品の繊細で美しく、どこか可愛らしい印象が重なる。そういえば、ある作家の奥さんが言っていた。作品にはその人の人となりがしっかりと出るのよ、と。お金儲けだけに心をとられて、小ずるくふるまう人の作品は美しくない、と。美しくないものはともかくとして、たしかにマリアさんの作品には、彼女のやさしい気持ちとものづくりに対する心意気がそのまま映されている。今ここでマリアさんのつくったブタやゾウを見ていると、一心に絵筆を動かしながら、静かに話すきれいな声を思い出す。写真を撮らせて、というと恥ずかしそうにエプロンを整える奥ゆかしい姿を思い出す。そして、いい作品をつくろうとする作家魂があらわれているかのような、きりりとした眉を思い出す。
きょうもマリアさんは、オアハカのキラキラとした陽射しのもとで、春や花のことを思いながら、鳥やハチや小花を描いているのだろうなと思うと、こちらのほうもほんわりとしたやさしい気分になる。
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