はじめにこれを書くべきでした。「Oaxacan wood carving 進化するメキシカン・フォークアート」展(*終了しました)ではいろいろな見どころがあります。
まずは展覧会の主役、作品について。会場には、30人以上の作家の作品およそ200点が展示されています。可愛い動物とか働くガイコツとか飲んべえの悪魔とか、大きいものから小さいものまで、いろいろあります。オアハカン ウッド カーヴィングの主な作家の作品がこんなにもたくさん、まとめて見られることは、まずありません。
たとえ、飛行機を乗り継いでバスにも揺られて、
丸一日以上かけてオアハカに行ったとしても、です。
イシドーロ・クルースさん。「わたしの作品は、家に来てもほとんどないよ。オアハカ市内のギャラリーにもない。アメリカのギャラリーにもない。いい作品は全部、個人のコレクターの手に渡ってしまうからね」
ミゲル・サンティアーゴさん。「わたしの作品が見たければ、注文して2年待ってね。注文するなら、予約ノートに名前を書いておくよ」
ガビーノ・レジェスさん。「今はたまたま製作中だからこれがあるけど、普段は全然ないんだよね。これ、欲しいの? だめだめ。これは予約されているから、見せるだけね」
っていうけど、ガビーノさんの作品を予約するのは大変です。電話はないし、郵便も届きません。
と、こんなかんじですから、人気のある作家の作品は、本人の家や地元オアハカでも、なかなか見られません。とにかく「Oaxacan wood carving 進化するメキシカン・フォークアート」展みたいにたくさんの作家の作品をまとめて見られる機会はなかなかないのです。
それから、意外なモチーフの作品も展示されてます。さらにとても貴重なマヌエル・ヒメネスの1977年の作品(山田俊彦氏所蔵品)も展示されているんです。
作品の展示のほかにも、こんな企画が。
会場のグラフの番犬「オヤカタ」をモデルにしたオアハカン ウッド カーヴィングが販売されてます。本物の「オヤカタ」の定位置は会場となりのグラフビル1Fのlabo.。ご入場前にぜひモデルにごあいさつください。
作者はこの方。ホセー・オリベーラさんです。「オヤカタ」は事故にあい、しっぽをなくしてしまった、というのが最大のポイントで、わたしたちはもちろん、しっぽをつけないでね、と注文しました。にも関わらず、ホセーさんは立派なしっぽを持つ「オヤカタ」をきっちりと注文した数量、仕上げてくれました。受け取りに行ったわたしたちは、唖然とし「しっぽが、ある」とつぶやく。
するとホセーさんは「じゃ、切るよ」としゃきしゃきナイフで切る。躊躇なく、あっさりと。切断された「オヤカタ」のしっぽも会場内で見ることができます。もう元には戻せませんけれど。
それから、映像。会場内の一室ではオアハカン ウッド カーヴィングの村で撮影した映像をご覧いただけます。グラフの豊嶋氏編集。豊嶋氏曰く「ブエナ・ビスタ~」風にまとめた、とのことで、じんわりと心にしみる感動的な作品になりました。
その中で歌を歌っているのはこの人。イシドーロ・クルースさんのお友達です。撮影の日は、誕生日などに食べる特別料理バルバコアをいただきました。しかし、歌手まで呼んであったとは。
そして、展覧会を共同企画した9brandがデザインした「Oaxacan wood carving 進化するメキシカン・フォークアート」展限定のroughtoyz製「Hariko」も予約販売。
入り口カウンターにサンプルが展示されています。オアハカン ウッド カーヴィングの毛皮パターンをまとったソフビの「張り子」。メキシカン・フォークアートだけじゃなく、日本の「張り子」も「進化する」、というわけです。
もうひとつ、限定販売品。メキシコのStatic Discosの協力により、「Oaxacan wood carving 進化するメキシカン・フォークアート」展公式サウンドトラックCDが販売されます。
こちらです。ようやく到着しました、これがジャケットです。が、完売してしまいました。ごめんなさい。近日中に再入荷予定。
*再入荷分も完売しました。ありがとうございました。
「オヤカタ」がいるグラフビルの3Fは、ショールームです。こちらでも会期中、オアハカン ウッド カーヴィング、メキシコのラグやクッションカバー、バッグ、ビーズアクセサリー、ランチョンマット類などを販売しています。
もちろん、図録もお求めいただきたい関連商品。
それから、展覧会序盤の一大イベント、イシドーロ・クルースさんのワークショップは、ご本人の帰国とともに終了しましたが、イシドーロさんが確かにここにいた、という痕跡が、会場内に残っています。
と、いろいろな見どころをあげてみましたが、会場に行ってみよう! という気分になっていただけましたか?
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