オアハカン ウッド カーヴィング(メキシコ・オアハカ州でつくられる木彫り)の創始者、マヌエル ヒメネスが1970年代おわり〜1980年代はじめに製作したウマ。マヌエル ヒメネス本人が木彫りを製作していた最後の時代の貴重な作品です。
典型的なマヌエル ヒメネス・スタイルのフォルム、輪郭が細く彫り込まれた丸い目、やや荒削りな彫りなどに、マヌエル ヒメネス本人が製作した作品ならではの味わいが。製作から約40年経過しているため、全体的にやや古びて、色も少しくすんでいますが、製作当時の彩色がほぼ残っています。この時代のマヌエル ヒメネス作品はアニリン染料で彩色されているもの、と思われがちですが、この「ウマ」はアクリル絵具(またはペンキ)だけで彩色されています。これはアニリン染料とアクリル絵具を併用していた1970年代おわり〜1980年代はじめのマヌエル ヒメネス作品ではときどき見られるもの。サインが入っていないのも、本人が作っていた時代の作品の標準仕様です。
1980年代中頃以降の「マヌエル ヒメネス作品」は基本的に息子のアンヘリコとイサイーアスが製作しているため、マヌエル ヒメネス本人が作っていたのは1980年代はじめまで。息子たちが作るようになってからの作品では、白目部分がくぼんだアーモンド型の目になります(例外はあります)。ヒメネス ファミリー作品の彩色スタイルも、1970年代はじめまではアニリン染料を使用、1970年代おわり〜1980年代はじめはアニリン染料とアクリル絵具の併用、その後はアクリル絵具のみを使用、と変化しました。この「ウマ」はマヌエル ヒメネスにとってさまざまな意味での転換期の作品です。
*耳は取り外しできます。