オアハカン ウッドカーヴィング(メキシコ・オアハカ州でつくられている木彫り)のコンドル。1970年代から木彫りを作り続けているオアハカ州某村のZファミリーの作品です。アニリン染料を使った彩色や素朴なつくりなど、製作方法は当時のまま。
*オアハカン ウッド カーヴィング3大産地(アラソーラ村・サン マルティン ティルカヘーテ村・ラ ウニオン テハラパン村)在住ではないZファミリーは、1970年代から多くの作品を残しているにもかかわらず諸事情によりほとんど名前が知られていませんが、オアハカン ウッド カーヴィング初期の重要な職人一家のひとつです。
*アニリン染料は19世紀に発明された合成染料。現在のオアハカン ウッド カーヴィングはアクリル絵具による彩色が主流ですが、1980年代中頃まではほとんどの作品がアニリン染料で彩色されていました。彩色面をコーティングするアクリル絵具と違って、アニリン染料は材料に染み込むので、彩色後も表面に木の質感が残ります。そのため、より素朴な味わいのある作品に仕上がります。また、アニリン染料は褪色しやすいため、時を重ねることでヴィンテージ感を楽しむことができます。色によって褪色のスピードに差がありますが、鮮やかさが数年で落ち着き、その後も徐々に褪せていきます。日光などの環境条件によっては30〜40年で彩色がほとんど失われることも。素朴さとエイジングを楽しめるのがアニリン染料で彩色された作品の特徴です。