LABRAVA

メキシコノート 0002

サンタ マリア デル リオのバスターミナル

絣のショールの町 サンタ マリア デル リオ
Santa Maria del Rio, San Luis Potosi, Mexico, 2007

サン ルイス ポトシー州の州都サン ルイス ポトシー市からバスで1時間ほどの町、サンタ マリア デル リオ。ふつうバスターミナルといえば、チケット売場や待合室、軽食や清涼飲料の売店、ホーム、バスの待機する駐車場、そしてそれらを含む建物がある、というイメージだ。ところが、サンタ マリア デル リオのバスターミナルはここ。青空ターミナルである。広場の木に時刻表などの書類が据えつけられ、バスをしきる係のふたりがこの木の周りでチケットを売ったり、バスの発着をチェックしたり。いわば、この木がオフィスなのだ。ちょっと驚いたが、この青空ターミナルもなかなかいい。広場の人々やまわりの店を眺めながら、植栽の柵のふちに腰かけてバスを待つのだから心も弛緩してしまい、バスが来ない、といらつく気持ちも長続きせずすぐにおさまる。炎天下なれば暑いけれど、のどがかわけば、ちょうどいい具合に目の前でフルーツを売っている自転車屋台でココナッツ水を飲めばいい。

いかにも都会ではありません然としたこの町は、美しい手織りのショールで知られ、「サンタ マリア デル リオ産のショール」が一種のブランドとして通用するほど。なかでも絣のショール、それもシルクで織られたものが有名だ。細い糸から大きな布を織りあげるのだから、1枚のショールができあがるまでには相当な時間がかかる。絣のショールともなると、丹念に糸を束ねて染める工程も含め、すべてできあがるまでには1か月ほどかかるそう。だから、手をかけ時間をかけてできあがった絣のショールは、もちろん高価ではあるけれど、ほんとうに美しい。

日差しは相当に強烈だけれど、青空バスターミナルも、織り機の音がトントンと響くショールの工房も、サンタ マリア デル リオではどこもかしこも時間がゆったりと流れている。ショールのするりとしたやわらかい肌触りときりっとした色合いに、この町の様子がうかがえる。