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メキシコ民藝 アギラール ファミリー

アギラール ファミリーの陶人形

メキシコ・オアハカ州のアギラール一家がつくる陶人形。
メキシコの風物やオアハカの生活をいきいきと表現した作品は
多くのフォーク アート コレクターに愛されつづけています

メキシコ・オアハカ州オコトラン デ モレーロスのアギラール ファミリーがつくる陶人形。市場でフルーツを売る女性や公園で憩う人々などのオアハカの日常の光景、ガイコツ、フリーダ カーロ、聖母、聖人などをモチーフにしています。素焼きにアクリル絵の具で彩色して仕上げられた素朴な製法の人形で、ほのぼのとした愛嬌とオアハカらしさを感じさせる作風が特徴です。

ホセフィーナ ギジェルミーナ イレーネ アギラール

現在、アギラール ファミリーとして知られる陶芸家はギジェルミーナ アギラール、ホセフィーナ アギラール、イレーネ アギラール、コンセプシオーン アギラール、ヘスース アギラールの5人ですが、その作品のスタイルを生み出したのは母親のイサウラ アルカンタラ ディアス(1925 - 1969)でした。

イサウラは夫ヘスース アギラール レビージャと結婚後、生活のために素焼きの鉢や香炉などをつくって売っていました。やがて彼女は日用品だけではなく、オアハカの人々の日常生活の光景をモチーフに陶人形を製作するようになります。そして、果物や花を売る市場の女性、祭りや結婚式の場面など、オアハカの豊潤な文化と伝統を生き生きと描写した素晴らしい作品をつぎつぎと生み出していきました。

1969年にイサウラは44歳で亡くなってしまいましたが、幼いころから彼女の作品づくりを手伝い、母からその技術を教えられてきた8人の子供たちのうち、ギジェルミーナ、ホセフィーナ、イレーネ、コンセプシオーン、ヘスースの5人が彼女の後を受け継いでいます。そして母のイサウラと同様、それぞれの家族に技術を教え、独自のアイデアを加えて、アギラール ファミリーの名声をさらに高めました。

アギラール ファミリーの陶人形は多くのフォークアート ファンやコレクターを魅了してきました。なかでも熱心な蒐集家として知られているのがアレキサンダー ジラードとネルソン ロックフェラー。現在、ふたりのコレクションはサンタフェ、サンアントニオ、サンフランシスコのミュージアムに展示されています。また、アギラール ファミリーの作品は多くの書籍でも紹介されています。